おかしな話

更新:2025年08月18日

お菓子のこと

なぜ”お菓⼦”には”お”がつくの?──やさしい⾔葉のルーツ

ふと気になる、⽇常の⼩さな疑問

「お菓⼦を買いに⾏こう」「今⽇のお菓⼦は何にしようか」──私たちが何気なく使っている「お菓⼦」という⾔葉。よく考えてみると、“菓⼦”だけでも意味は通じます。それなのに、なぜ“お”をつけるのでしょう。

「お茶」「お⽔」「お箸」には”お”がつくのに、「パン」や「アイス」にはつかないことが多い。「お寿司」とは⾔うけれど「おピザ」とは⾔わない。この違いには、⽇本語の奥深い世界が隠されています。

“お”に込められた、⽇本⼈の美意識

⽇本語の”お”には、いくつかの⼤切な役割があります。相⼿やモノを尊重する「尊敬語」「丁寧語」としての使い⽅。そして、⾔葉を美しく、上品に響かせる「美化語」としての機能。

「お茶」「お箸」「お⽫」──これらの⾔葉を⼝にするとき、私たちは無意識のうちに、そのモノを丁寧に扱おうとする気持ちを表現しています。まるで、⾔葉そのものが私たちの⼼を優しくしてくれるかのように感じます。

お菓⼦が歩んできた、特別な歴史


では、なぜ”お菓⼦”に”お”がつくようになったのでしょうか。その理由には諸説ありますが、菓⼦が⽇本の⽂化の中で担ってきた「特別な役割」が関係しているといわれています。

神様への供物として、季節のあいさつとして、お祝いの席での贈り物として──菓⼦は単なる⾷べ物を超えて、⼈と⼈、⼈と⾃然、⼈と神様をつなぐ⼤切な架け橋でした。茶道における和菓⼦、節句のお菓⼦、お盆やお正⽉の特別な菓⼦。それぞれに込められた想いと共に、菓⼦は私たちの暮らしに寄り添い続けてきたのです。

⼭三商会の「おせんべい」づくり

お菓⼦の中でも、⽇本の伝統的な味わいとして親しまれているのが『おせんべい』です。私たち⼭三商会も、このおせんべいづくりに⻑年取り組んできました。社内でも、⾃然と「せんべい」ではなく「おせんべい」と呼ぶことが多いのですが、これはやはり、お客様への気持ちや、⽇々の仕事への気配りが表れているのかもしれません。

⼭三商会のおせんべいは、押し焼き製法の機械で⼀枚⼀枚焼き上げています。機械だからこそ、焼き加減や品質を安定させることができるのが強みです。スタッフも⽇々仕上がりを確認しながら、安⼼して⾷べていただけるように気を配っています。

こうして出来上がったおせんべいが、お客様のもとに届くとき、私たちはやっぱり「おせんべい」と呼びたくなります。特別なことはしていませんが、⽇々の積み重ねが⾃然とそうさせているのだと思います。

やさしさを運ぶ、魔法の響き

「お菓⼦」という⾔葉は、⽢さだけでなく、⼈の気持ちまでやさしく包んでくれる魔法のような響きを持っています。コンビニで⼿に取る⼀袋も、⼿作りの⼀枚も、⼤切な⼈へのプレゼントも──すべて「お菓⼦」という呼び名に、作り⼿と受け取る⼈の⼼がそっと込められているのです。

だから今⽇も、ちょっとひと息のおやつ時間には、ただの”菓⼦”ではなく”お菓⼦”と呼んで、その背景にある温かい想いと共に味わってみてください。きっと、いつものお菓⼦が、少し特別に感じられるはずです。