更新:2026年02月25日
FSSC22000国際基準って、実はかなり地道です

食品の安全や品質について、世の中の目は年々厳しくなっています。とはいえ、業界全体を見渡せば、国際基準に基づく認証取得が“当たり前”になっているとは、まだ言えません。えびせんべいの製造業界において、山三商会が国際基準のFSSC22000を取得したのは2018年12月。当時、同業界では初めてのことでした。現在でも、認証を受けている企業は決して多くはありません。
取得にも維持にも手間と時間がかかるFSSC22000を、なぜ山三商会は2018年から今も続けているのか。その理由はとてもシンプルです。食品の安全は、日々の地道な現場の取り組みでしか守れないと考えているからです。

基準は、取得して終わりではない
国際基準の認証は、一度取れば安心、というものではありません。審査は予告なく行われることもあり、突然工場に来られて、即座に資料の提示を求められたこともありました。
その瞬間に対応できなければ、意味がない。だからこそ、特別な準備期間はありません。日常そのものが、常に審査対象です。記録は整っているか。手順は守られているか。説明を求められたとき、誰でも答えられる状態か。「いつ来られても大丈夫」。そう言える状態を日々保ち続けることが、国際基準での運用には求められています。
工場を止める日があります
山三商会では、毎月月末になると、工場の稼働を止めます。そして従業員全員で、工場をすみずみまで清掃します。効率だけを考えれば、生産を続けた方がいいのかもしれません。それでも、止める。全員で、同じ場所に立ち、同じ目線で確認する。
この時間は、単なる清掃ではありません。「ここは本当に安全か」「この状態で胸を張れるか」。国際基準を守るとは、こうした問いを、作業として体に染み込ませることでもあります。
安心は、日常の積み重ねから生まれる
徹底した品質・安全管理は、楽な道ではありません。抜き打ち審査への備え、膨大な記録、定期的な見直し。続けるほど、その大変さをあらためて実感します。それでも山三商会は、国際基準に基づく管理を「やらされていること」ではなく、「安心のために必要なこと」と考えています。言葉で安心を伝えるのではなく、仕組みと日常で示す。第三者にいつ見られてもいい状態を保ち続ける。その姿勢こそが、信頼につながると信じています。

地味だけれど、誇りのある仕事
国際基準という言葉は、少し遠い世界の話に聞こえるかもしれません。けれど実際は、月末の清掃や、毎日の確認、記録の積み重ねといった、とても地味な作業の連続です。誰かに見せるためではなく、安心してもらうために続ける。
えびせん一枚の向こう側にあるのは、そんな日常です。派手さはなくても、手は抜かない。その積み重ねが、今日も工場を支えています。
※FSSC22000(食品安全システム認証)とは、食品の安全を確保するための国際的な認証規格です。ISO22000を基盤に、業種ごとの前提条件プログラムや追加要求事項を組み合わせ、原材料の受け入れから製造、出荷までの全工程でリスクを管理します。第三者機関による審査が行われ、継続的な改善と高い透明性が求められるため、世界各国の⾷品関連企業で広く採⽤されている⾷品安全認証の⼀つです。